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メモリ容量16GBの新エントリー向けGPU「Radeon RX 7600 XT」が発表に。Radeon RX 7600のメモリ増量&高クロック版
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印刷2024/01/09 00:30

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メモリ容量16GBの新エントリー向けGPU「Radeon RX 7600 XT」が発表に。Radeon RX 7600のメモリ増量&高クロック版

 米国時間2024年1月8日,AMDは,米国・ラスベガスで開かれる大規模展示会「CES 2024」に合わせて,デスクトップPC用のエントリー市場向け新型GPU「Radeon RX 7600 XT」を発表した。1月24日に発売の予定であるが,本稿執筆時点で価格は明らかになっていない。

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ASRock製の「Radeon RX 7600 XT Steel Legend 16GB」
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 本稿では,Radeon RX 7600 XTの機能や性能について,ざっくりとまとめていこう。


Radeon RX 7600のクロックアップ&大容量メモリモデル


 Radeon RX 7600 XTは,2023年5月に発売となったエントリー市場向けGPU「Radeon RX 7600」のGPUクロックを引き上げたうえ,グラフィックスメモリ容量を2倍の16GBに増やしたGPUだ。Radeon RX 7600 XTとRadeon RX 7600の仕様を比較したスライドを下に示そう。

画像集 No.004のサムネイル画像 / メモリ容量16GBの新エントリー向けGPU「Radeon RX 7600 XT」が発表に。Radeon RX 7600のメモリ増量&高クロック版

 RDNA 3アーキテクチャでは,Streaming Processorと呼ばれるシェーダプロセッサを64基と,レイトレーシングユニット1基を束ねたComputing Unit(CU)を基本単位としている。Radeon RX 7600 XTとRadeon RX 7600のCU数は同じ32基であり,GPUコアは同じものと理解していい。
 ただ,GPUの動作クロックは異なる。Radeon RX 7600 XTではゲームプレイ時の標準的な動作クロックである「Game Clock」が約1.1倍の2.47GHzに,またブーストクロックは約1.04倍の2.76GHzに引き上げられているのだ。

 最大の違いはグラフィックスメモリで,Radeon RX 7600の容量8GBから,Radeon RX 7600 XTでは容量16GBへと2倍に増えた。なお,メモリクロックは変わっていない。AMDによると,Radeon RX 7600 XTはフルHDから1440p(2560×1440ドット)の解像度をターゲットにした製品であるので,潤沢すぎるほどのメモリ容量といえる。

 そのほかに,Radeon RX 7600ではオプションだった映像出力の「DisplayPort 2.1」が,Radeon RX 7600 XTでは標準になっていること。そして性能向上にともなって,TDP(Thermal Design Power,熱設計消費電力)がやや上がっているとっいたあたりが主な違いになる。


ゲーム性能はRadeon RX 7600の1.2倍が目安


 AMDは,Radeon RX 7600 XTのゲーム性能について,Radeon RX 7600のおおむね1.2倍という目安を示している。クロックの上昇率から考えると性能向上率がやや高く,倍増したグラフィックスメモリ容量がゲーム性能にも寄与しているようである。

フルHD解像度のゲーム性能をGeForce RTX 2060,Radeon RX 7600,Radeon RX 7600 XTで比較したグラフ(左)と,1440pにおけるゲーム性能をRadeon RX 7600とRadeon RX 7600 XTで比較したグラフ(右)
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 AMDは,Radeon RX 7600 XTのゲーム性能が「GeForce RTX 2060」の平均1.9倍であることをアピールしていた。AMDの調査によるとGeForce RTX 2060やそのクラスのGPUを使用しているゲーマーが多いのだそうで,その買い替えに最適というわけだろう。

 またAMDは,Radeon RX 7600 XTでは同社独自の超解像技術「FSR 3」や,ドライバソフトによるフレーム生成技術「AMD Fluid Motion Frames」(AFMF),さらに,AMD Softwareの最適化機能をまとめて有効化できる「HYPR-RX」が利用できることもアピールしている。「NVIDIAがフレーム生成や超解像技術を提供していない『Avatar Frontiers of Pandora』でも,Radeon RX 7600 XTならFSR 3やAFMFが利用できる」と,AMDは強調していた。

FSR 3やAFMF,HYPR-RXの利用によるフレームレートの向上率を示したスライド
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 倍増したグラフィックスメモリは,ゲームよりも,むしろ生成AIを活用するクリエイティブ向けアプリで威力を発揮しそうだ。AMDによると,「生成AIアプリは,メモリ容量として16GB以上を要求するものが少なくない」そうで,Radeon RX 7600 XTは,生成AIアプリユーザーからも人気が出るかもしれない。

16GBのグラフィックスメモリにより,すべての生成AIアプリに対応できるほか,性能も向上しているという
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Radeon Softwareによる動画アップスケーリング機能を予告


 Radeon RX 7600 XTの発表に合わせてAMDは,Radeon Softwareの新しい機能を予告している。それによると,近日リリース予定のRadeon Softwareにおいて,ドライバレベルでの動画アップスケーリング機能や,ハードウェアエンコーダの画質最適化機能を提供するとのことだ。
 これらの機能は,Windowsの「Advanced Media Framework SDK」ベースで提供されるため,録画配信アプリの定番「OBS Studio」を始めとして,多数のアプリで利用できるという。

左がエンコーダの画質最適化機能の例で,右はYouTube動画をRadeon Softwareのアップスケーリング機能で1440p化した例
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 競合のNVIDIAは,2023年2月に「RTX Video Super Resolution」(RTX VSR)という動画アップスケーリング機能を提供しているので,その後追いといったところだろうか。

 興味深いのは,オープンソースの動画プレーヤー「VLC media player」で,2024年第1四半期中にRadeon専用の最適化が組み込まれると予告していた点だ。具体的には,VLC media playerに「FSRアルゴリズムを使用した,より優れたアップスケーリングと,ハードウェアフレームレート変換(FRC),よりスムーズでクリアなビデオ再生のためのハードウェアノイズ低減が含まれる予定」とのこと。対応可能なGPUの世代などの情報はまだないが,Radeonユーザーにとっては新たな付加価値になるかもしれない。

AMD 公式Webサイト

  • 関連タイトル:

    Radeon RX 7000

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