連載
インディーズゲームの小部屋:Room#553「ZeroRanger」
子供の頃に一番好きな車だったビートルが2019年で生産終了と聞いて悲しんでいる筆者がお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第553回は,System Erasureの「ZeroRanger」を紹介する。本作は,ギミック満載のステージをハイスピードで攻略していく縦スクロールシューティングだ。実車はハードルが高いので,せめてもの思い出にミニカーでも買っておこうかな……。
プレイヤーの前に立ちはだかるのは,宇宙からの侵略者,グリーン・オレンジ。その名が示すとおり,グリーンとオレンジを基調とした独特のグラフィックスが本作の大きな特徴だ。自機は,火力が高めで,ややスピードが遅いタイプと,火力が低い代わりにスピードが速いタイプの2種類あり,どちらかを選んで出撃する。
本作には,シューティングでおなじみのパワーアップアイテムや,敵弾を消し去るボムなどはなく,各ステージのボスを倒した際に,2種類の武器から好きなほうを獲得していく仕組みだ。ステージ1をクリアすると,後方ショットかサイドショット,ステージ2をクリアすると,ホーミングあるいはチャージ攻撃を入手できる。
さらに,ステージ3をクリアすると自機が大幅にパワーアップして人型へと変形できるようになり,ブレードもしくはドリルを使った攻撃が可能になる。ブレードとドリルには敵弾を消したり,押しとどめたりする能力があり,最終的には初めから装備している前方ショットと合わせて3種類のショットと,人型への変形&近接攻撃を駆使して戦うことになる。
「レイディアントシルバーガン」のように,3つのボタンで8種類の攻撃を使い分けるほどの複雑さではないが,ゲームシステムとしては同作を彷彿させるところがあり,本作にはどこかで見たような攻撃を仕掛けてくるボスやステージも登場する。ほかにも,シューティングに限らずさまざまなゲームのオマージュが盛り込まれており,元ネタを知っていればニヤリとできるだろう。
ゲームは全4ステージ構成だが,後半になるにつれて1ステージが長くなっていく。さらに,縦シューなのに横スクロールになったり,敵機が激しく飛び交う狭い通路状のステージを突き進んだりと,多彩なギミックが待ち構えており,2周めもバッチリ用意されている。もちろん,2周めには新たなボスも出現するので,物足りなさはまったく感じない。
敵の弾幕はそれほど濃くないものの,弾速が速いため難度は高めで,気づいたら撃墜されていた……なんてこともよくあるが,コンティニュー回数は獲得スコアの累積によって最大8回に増加するので,多少敵の攻撃を避けきれなくても,コンティニュー連打でガンガン突破していくのが楽しい。また,アップテンポなメタル調のBGMも最高にカッコよく,ゲームを大いに盛り上げてくれる。
全体的に完成度が高く,シューティングファンに文句なしにお勧めできる本作は,公式サイトでデモ版が公開されているほか,製品版がSteamにて1220円で発売中。コントローラを握る手に思わず力が入ってしまう歯応えのある難度で,中毒性の高いハイスピードバトルを満喫できるゲームなので,興味を持った人はぜひお試しあれ。
■「ZeroRanger」公式サイト
https://se-made.com/- この記事のURL:
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