ハロー！Steam広場 第205回：兆→京→垓 目指せMAXダメージ！　戦略とクリックでどんどん強くなる「Clicker Heroes 2」

「すちーむ」ってなぁに？というよい子のみんな集まれー！　「ハロー！ Steam広場」は，PCゲームのダウンロード販売サイトSteamでリリースされた気になるタイトルやニュースを，筆者が独断と偏見でピックアップして紹介する，とっても有意義なコーナーだ。毎週欠かさずチェックすれば，秘密の質問「恋人の名前は」の答えは，すべてゲイブ・ニューウェルで統一している上級Steamerにジョブチェンジできるかも。

　ハロー！Steam広場 第205回は，ファンタジー系クリッカーゲームの先駆けともいえる「Clicker Heroes」の続編「Clicker Heroes 2」を紹介しよう。クリックだけでキャラクターがどんどん強くなるニッチなシステムはそのままに，クリック周りのシステムが洗練され，京を超えるダメージも当たり前のように出せる。

4Gamer公式キュレーター

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「Clicker Heroes」の続編「Clicker Heroes 2」のアーリーアクセスがついにスタート。目指せ100垓ダメージ

　アーリーアクセスとは，開発途中のゲームを購入して，デバッガー兼プレイヤーとして参加できる，Steamの販売形態の1つだ。今回はアメリカのインディーズ系デベロッパPlaysaurusが手掛ける「Clicker Heroes 2」を紹介しよう。

　本作は，ファンタジー系クリッカーゲームの先駆けともいえる「Clicker Heroes」の続編となるタイトルだ。Clicker Heroesの魅力は，人生の貴重な時間をクリックに費やすことで，キャラクターの攻撃力や所持金がどんどん膨れ上がっていくという，インフレに対する高揚感にあった。これを一度味わってしまったゲーマーは，スキナー箱の中のネズミのごとく，思考停止状態でクリックを連打してしまう。ある上級Steamerはこう言った，「クリックがやめられないとまらない」と。

前作「Clicker Heroes」

　喜ばしいことに「Clicker Heroes 2」にもその魅力は受け継がれているが，もちろん大きく変化しているところも多い。ぱっと見ですぐに分かるのはグラフィックスだろう。
　前作は，タイルの上にモンスターがポツンと表示されているだけという簡素なものだったが，本作は斜めから見下ろす形でヒーロー，モンスター，フィールドがしっかりと描画されており，ヒーローがバッサバッサとモンスターを斬り倒して行く様子が楽しめるようになった。アニメーションも作り込まれており，画面だけを見ると，印象はクリッカーゲームというよりアクションRPGといった感じだ。


　ヒーローは，画面の左下から右上に向かう一本道に沿って移動し，モンスターと対峙すると自動で攻撃を始める。自動攻撃中にクリックするとクリック攻撃が発動し，自動攻撃よりも高いダメージを与えられるといった具合だ。
　前作はクリックしたぶんだけDPSが上昇したので，ひたすらクリック連打でも良かったのだが，本作ではクリック攻撃時にエネルギーを消費するようになったので，無意味に連打だけしていても，かえってダメージ効率が悪くなってしまう。


　また，自動攻撃の仕様も変更されている。前作は，クリック攻撃をプレイヤーが担当し，自動攻撃は雇った仲間ヒーローに任せるという感じだったが，本作では自分のヒーローがクリック攻撃と自動攻撃の両方を担うため，クリックを連打していると自動攻撃が潰されてしまい，これもまたダメージ効率の悪化につながってしまうわけだ。


　この2つの仕様変更によって，ただ連打しているだけで良いという前作の持ち味は消えてしまったが，そのぶん，クリックをしたいという欲望に“テクニック”や“戦略性”が練り込まれることになった。
　例えば，自動攻撃を潰さないようにテンポをずらしてクリックすれば，自動攻撃とクリック攻撃が重なって2回攻撃が発生する。スキルを使えば一回のクリックで出せるダメージを上げられるし，複数のバフスキルを組み合わせることで何倍ものダメージを叩き出すことだって可能だ。スキルは，前作と比べてクールダウンが短くなったので，本作ではクリックだけでなく数字キーも連打することになるだろう。うまくハマれば，前作以上に危なげな中毒性が見え隠れするはずだ。


　Clicker Heroes 2では，スキルツリーが導入されたことで，育成要素もパワーアップしている。このスキルツリーは，銀河のように広がっており，眺めているだけでもいろいろなビルドが思い浮かぶ。
　キャラクターが強化されていくと当然，与えるダメージも上がっていく。本作はこのダメージのインフレするテンポが心地よく，序盤は2桁ほどしか出ないダメージも，開始30分ほどで4ケタに到達する。とはいえClicker Heroesにおける4桁ダメージというのは，まだまだ序の口。装備を少し強化するだけでもダメージが何十倍も跳ね上がったりするからだ。そう言っている間にも筆者のダメージは京を通り越して，なんだがバグった数字になってしまった。

左に見えるのがスキルツリー……というよりもスキル銀河だ

eの23乗って一体いくつなのか。ちなみにこうなる前に表示されていた単位はQ。このQは10の15乗であるquadrillionのことを指しており，日本の命数法でいえば10の16乗である京にあたる

　前作はいろいろなヒーローを購入して強化することが大きな目的だったが，Clicker Heroes 2では装備を購入してそれを強化していくことがメインになる。ステータス画面の下には小さなショップがあり，常に新しい装備が4つラインナップされる。この4つは基本性能こそ同じものの，オプションが異なっており，どれを選ぶかによって強化の方向性も変わってくる。選ばれなかった装備は破棄され，次のラインナップに切り替わるので，ここでの装備選びはかなり悩ましい。上述のスキルツリーと合わせて，自分のヒーローをどう育てたいかは早めに固めておきたいところだ。


　Clicker Heroes 2のアーリーアクセスは2〜3年かけて行われる予定だ。また，コミュニティのフィードバックに基づいて，多くの機能を追加予定とのことなので，アーリーアクセス期間中のアップデートに大いに期待できそうだ。
　価格は3090円と，前作がFree to Playだっただけに少し高く感じるかもしれないが，ほかのクリッカーゲームにはない光る部分が多い作品なので，興味があればぜひアーリーアクセスに参加してみてほしい。