インディーズゲームの小部屋：Room＃507「Battle Chef Brigade」

　最近は寝る前にホットアイマスクを愛用している筆者がお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第507回は，Trinket Studiosが開発した「Battle Chef Brigade」を紹介する。本作は，アクションパートで食材を集め，3マッチパズルで料理を作るという，異色の組み合わせが面白いゲームだ。適度な重みとじんわり包み込まれるような温かさで，一度使ったら手放せなくなる心地よさ！


　本作の舞台はファンタジー世界，ヴィクタシア。料理界の最前線に立つ，最強のシェフ兵で構成される「バトルシェフ・ブリゲード」には，倒したモンスターの素材からおいしい料理を作り出す，超一流の料理人達が集う。年に一度開催される入団試験「バトルシェフ・ブリゲード考試大会」に出場するため，首都にやって来た女性料理人ミナ。果たして彼女は，その狭き門をくぐることができるのだろうか……。


　ゲームの目的は，ブリゲードへの入団を目指すミナとなってほかの大会参加者との料理対決に勝利し，その一員になること。そもそも，シェフ兵ってなんやねん！　とツッコミを入れたいところだが，人喰いの大鷲じゃないほうのトリコみたいなものと思っておけばいいだろう。大会の最終ラウンドに進むためには，ほかのシェフと戦って7勝しなければならないが，3敗すると敗退となる。どこかのクイズ大会ではないが，いわゆるナナマルサンバツというやつだ。


　街にはライバルの料理人達がおり，彼らに話しかけて勝負を挑むことで食戟……じゃなかった，料理対決がスタート。試合ごとに提示されるテーマ食材を使い，制限時間内に料理を仕上げて審査員に提出するというのが大まかな試合の流れだ。さあ，おあがりよ！
　そんな本作最大の特徴は，モンスターを倒して食材を手に入れるアクションパートと，3マッチパズルの要領で料理を作成する調理パートを融合させた，一風変わったゲームシステムにある。


　試合開始直後は手元に食材がないので，まずはキッチンのすぐ外にあるフィールドでモンスターを狩ったり，野菜を拾ったりして，料理の材料を集めよう。ここでは，テーマ食材を手に入れるのが第一の目的だ。アクションパートはなかなか本格的で，当然ながらモンスターも反撃してくるので，ナイフを使った近接攻撃と魔法による遠距離攻撃を駆使して，スタイリッシュに敵を仕留めよう。


　食材が集まったらキッチンに戻り，料理開始。それぞれの食材は「調味ジェム」という宝石の組み合わせでできており，これらを鍋に投入して3マッチパズルのように同じ色のジェムを3つ並べると，ジェムがランクアップして料理の完成度も高くなる。高い評価をもらうためのコツは，テーマ食材を必ず使うことはもちろん，審査員の好みに合わせた風味（＝ジェム）を加えることだ。


　途中で食材が足りなくなったら，もう一度狩りに戻る必要があるなど，制限時間内にアクションとパズルの両方をこなして，おいしい料理を作るのはなかなか大変だ。大会が進むと審査員が増え，全員ぶんの料理を用意しなければならなくなるため，食材集めと調理の時間配分をどうするかも悩ましい。
　街にはアルバイトをしてお金を稼げるお店があり，ここで資金を稼いで，アクションや調理を有利に進めるためのアイテムを購入することもできるので，試合の前にしっかりと準備しておきたい。


　主人公のミナが表情豊かで可愛らしく，手描きイラストによるグラフィックスも日本人好みに仕上がった本作。嬉しいことに日本語ローカライズに対応しており，言葉の壁を気にせず遊べるので，華麗にモンスターを倒し，審査員達をうならせる最高の料理を素早く作れる超一流の料理人を目指している人はぜひどうぞ。そんな本作は，Steamにて2050円で発売中。おすすめです。

■「Battle Chef Brigade」公式サイト

http://www.battlechefbrigade.com/